1本の線に恋をした

 

その線は生きていた

笑い、語り、驚き、哀しみ、そしてどこまでも美しく華麗に舞う

その線の持ち主は石ノ森章太郎

氏の描きだす流れるような線にただただ魅了されていた子供の頃

 

いつしか私は自分でもペンを持つようになっていた

 

線の持つ不思議な世界

ほんの1ミリ違うだけでまったく表情が変わってしまう不思議な世界

ほんの1本ひかれただけで感情のすべてを物語ってしまう不思議な世界

線にはその人のすべてが現れる

その人自身を語ってくれる

 

年月とともに線の好みも絵の好みも変わってきたけれど

線にこだわり続けて気がつけばここまできた

思い通りにいかないことの方が多いけれど

これからも線を愛する作家でい続けるだろう

いつまでも…

 

2001.2.19 記

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