HP開設1周年によせて

おかげさまで当サイトも2002年2月19日をもって開設1周年をむかえました。来て下さった皆様にあらためてお礼申し上げます。

思えばこの20数年間…私は作品たちの居場所を求めて彷徨い続けていた気がします。

私の夢はプロの漫画家になることでした。しかしなかなか夢は叶わず、かといってあきらめるのも嫌で、投稿を繰り返す日々。挫折しそうになった時でも同人誌から誘いがあって描く機会を提供していただけたり、それで再び夢がふくらんだりして、それらの積み重ねの結果が20年以上に及ぶ作家生活の継続につながりました。ふり返ってみれば、その都度その都度、励まして下さった人々は違えども「読んで下さった」方々全てに「描く自分」をつないできていただけたのだなと感じ入ります。本当にありがとうございます。

しかし作品は描きっぱなし、作りっぱなしでは完結しません。漫画は印刷されてメディアに載り読んでもらえて、初めて「作品として完了」できるものです。結果として没になり発表されなかった作品たちはゴール寸前でストップをくらっているようなもの。一部の作品は同人誌に載せてもらえたけど、読み手は限られています。描いた本人と家族以外誰の目にもふれないまま眠ってしまった作品もあります。これらの作品たちを何とかしてあげたい。どれもその当時の自分としては持てる全てを注ぎ込んで描いた作品ばかりだから、どうにかして人の目に触れる場所に出してあげたい。だけどデビューできない以上、どうしていいのか分からない…。

個人誌を出版したいと、印刷所に見積もりまでお願いしたこともあります。しかし数百部印刷するのが精一杯の上、一介の主婦が手出しするには資金がかかりすぎる。今更コミケ方面にも知り合いもいないし、第一子育てと日々の生活だけで手一杯の現状をどう打開すればいいのか…。つい最近までパソコンとは無縁の生活を送っていたので、作品を発表する手だてが何もみつからないまま日々は無為に過ぎていくばかりでした。

ある時、機会があって、10年間愛用していたワープロ専用機をパソコンにかえました。それが2年と少し前のことです。しかしパソコンはあくまでもワープロの延長としてしかとらえていなかったため、インターネットを始めたのは更に遅れて、1年と少し前のことでした。初めて開いてみたのは漫研後輩のサイト。びっくりしました。こんな世界があったのかと。ネットを通じて何人かの後輩と知り合い、その企画に仲間入りできたおかげで新しい作品を描くことができました。そして私は気がつきました。ホームページというものの存在と可能性に。もしかしたらこれを作品発表の場にできるかも!? 私の20年来の悲願が叶うかもしれない!

漫画を丸ごとHPで発表しよう! そう決意したものの、最初は戸惑いもありました。私の見て回った範囲ではそんなことをしているサイトは1つもない。自分の思いつきは無謀なのだろうか。時間とお金のかかる電話回線で辛抱して読んでくれる人などいるのだろうか。だけど今自分にできる発表形態といえばこれしかない! 思い切って走り出しました。オンラインコミックという分野があると知ったのはサイトを作った後です。その時は嬉しかった。私の発想は間違ってなかったのだ、同じことをしている人たちがこんなにいるじゃないか!と。

それから1年。少しずつ順番に公開を続け、発表したかった作品群もほぼ出揃ってきました。夢の完成まであと少し。この1年間でいろいろな励ましもいただきました。そしてHPは旧作の発表の場だけでなく、これからの作品の発表の場にもなることにも気付きました。常に発表の場があるというのは作家にとって理想の環境です。HPは過去だけでなく未来にまで可能性を広げてくれるんですね。私にとってHPは不可能を可能にしてくれた魔法の扉──。HPを作ってよかった。勇気を出してやってみてよかった。励ましを下さった方々全てに心からの感謝を込めて、これからも意欲的に創作活動に励んでいきたいと思っています。

2002.2.19 記

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