「エクダ4 勇者の証明」

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全94頁

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<注>エクダの泉のネタバレを含みます↑

ケンイチの父の親友だったイチロー氏がセタ・コミューンを訪れる。彼の取引先のコミューンで普通の泉が突然エクダの泉に変る騒ぎが起きているという!? 真偽のほどを確かめるために泉の調査を依頼されたケンイチはラー・コミューンに赴くが…。

エクダシリーズ4作目。実は4作目はエクダ3で振ったソウル・コミューンを探す話になる予定だったんですが、紆余曲折あってエクダ4は当初の予定とは違う話になりました。

エクダを再開するならケンイチに何か目標があった方がいいと思い、前振りのつもりでエクダ3を描いたものの、ソウル・コミューンが存在したとしてそれを見つけた時ケンイチはどうするのか、ソウル・コミューンはケンイチにとってどういう意味があるのか…と考えた時、答が見えなかったんです。見えないものは描けない。では何故見えないのか…。ソウル・コミューンは父のエクダであって、ケンイチのエクダではないからだ──と気付くまでに大分時間を要し、かなりの苦労と徒労を費やしました。

ではケンイチのエクダとは? ケンイチはエクダにロマンを求めに来たのではない。父の無念を晴らすという「現実」を求めに来たのだ。ではケンイチの進む道とは? その答がエクダ4になりました。ソウル・コミューン探しネタは諦めることになりましたが、今作の冒険でケンイチのエクダが見いだせたことで意義はあったと思います。また、4の目的の1つであった「エクダ2でセタに溶け込めたケンイチが、セタ以外のコミューンに活躍の場を広げることでエクダ全体にも自分の場を広げる」も果たせたので。

前3作との絡み。
エクダシリーズは基本1話完結で全体を流れるストーリーはないのですが、エクダの設定が物語に絡んでくるので、最初から順番に読んでいただかないと「状況設定が分からなくて理解し難くなる」ところはあります。特に今回は冒頭から「エクダの泉」のネタバレ全開で話が進みますので、未読の方は先に「エクダの泉」を読んでおかれることを強く推奨致します。でないと1作目を読む前から答が分かってしまって興ざめしますので。1作目の謎の答が後続作品の推理の根拠になっているパターンというのもなかなか難しいものですね。
また、今作は父関係のあれこれを回収して終決させる話にもなっているので(1作目の背景にある事件とか3作目の落とし物とか)、順番に読んでいただけた方が楽しみも増すと思います。

惑星エクダへ愛を込めて。
やっぱりエクダで冒険するなら、エクダでしか体験できない冒険がしたい。単なる冒険ものならエクダである必要もなくなってしまうから。今回は1作目とは違う形で「泉の謎」を解く話に出来たので、それはよかったと思ってます。エクダシリーズ全体を包むテーマは「水」。毎回必ずエクダの水をストーリー進行に必要な設定として絡ませなければならないのは難しくもありましたが、そこが工夫のしがいがあるところでもありました。このシリーズが読まれた方にひとときの惑星エクダ滞在気分をもたらしてくれたなら嬉しいです。

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