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軌道衛星ステーションで実習中のヒロは指導員の渡辺技官から頼まれて彼の故郷を訪れる。そこでは渡辺の娘が父の帰りを待ち続けていた…。
フルデジタルに始めてトライした作品。有料アプリを検討する前にまずは手持ちの無料アプリで出来るかどうか試してみようと、メディバンペイントでペン入れに挑戦してみました。なおネーム~下書きまではアナログで、ペン入れがメディバンペイント、ベタ・トーン・仕上げはPhotoshopで行いました。
これまでずっとアナログでペン入れしてきたので、デジタルでのペン入れには懐疑的な時もありました。が、苦手だったタブレット直描きでもそれなりに描けるようになってきたこと、ペン画をスキャン後にパソコンで修正することも多くなってきたことを思うと、これなら最初からパソコンでペン入れしてもそんなに変わらないのではと思うようになったのもきっかけの1つかもしれません。
作品内容はデジタルペン入れの練習も兼ねて過去作「 ひとり祭りの夜にふるは… 」のリメイクで臨みました。ただ若い頃に描いた作品でテーマや設定に甘いところがあったので、今の自分に合わせて少し変更を加えてます。SF色は元作品より強くなってるかもしれません(オチがファンタジー寄りだったのをSF的な理論で説明つけたので)。時代に合わなくなった描写(スペースシャトルとか)も軌道エレベーターに変えたりしています。
テーマやキャスト(兄を待つ妹→父を待つ娘)に多少の変更はありましたが、基本的な話の流れはほぼそのままなので、元作品の雰囲気再現は出来てるんじゃないでしょうか。初めて読む人でも元作品を知っている人でもそれぞれに楽しんでもらえるのではと思います。
線がまだこなれてないところもあるけれど、初めてフルデジタルで1作描き切れたのは私にとっても意味が大きい。これを足がかりに漫画描きの可能性をもっと広げていけたらいいなと思ってます。
2024年発行のペーパーバック「マヤの惑星」に収録。