「マヤの惑星」

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全36頁

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銀河の果てのとある惑星で1人の女が事故死した。そして、それがすべての始まりだった…。

初めての投稿作品のリライト版。リライト前の旧作品はりぼんで「努力賞」をいただきました。当時はペンで漫画を描き始めたばかりの頃で、曲がりなりにも作品と呼べるレベルに達したのは「旧マヤの惑星」から。そういう意味では、私の事実上の第1作とも言える作品でした。

しかしこの旧作には大きな問題がありました。まだ絵柄が自分のものになりきっておらず、当時好きだった石ノ森章太郎氏の影響が色濃く出てしまっていたのです。これはりぼんにも厳しく指摘され、自分でも悩みの種でした。漫画の絵は下手でもいいんです、古臭くてもいいんです、自分の絵にさえなっていれば。

話の内容はオチで読ませるSFショートショート系で、このアイデアは今でも自己ベストに入るくらいのお気に入り。だから多くの人に読んでもらいたいのですが、やっぱり絵がネックになりました。自分でも恥ずかしくて正視できないくらいなので積極的に「見て!」とも言い難く…。「今の絵で描き直したら?」という意見ももらったけど、同じ表情は二度と描けないし、若い頃ならではの勢いや気迫も失われるだろうし、描き直せる自信がなくて長い間そのままになっていました。

けどこのままでは結局埋もれてしまう…。読んでもらえなければ公開していても公開してないのと同じだ。ならばリライトする気力が残ってるうちにトライしてみるのもいいのではないか。そこでリライトプロジェクトが立ち上がったわけです。

内容の本質は旧作と同じです。アンドロイドマヤはプログラム通りに動いているだけで、それが招いた結果とは…という話の基本は変わっていません。旧作はちょっと詰めが甘くて恋愛ものと勘違いする人もいたので、リライト版ではマヤがプログラムに過ぎない(マヤが語る「愛の世界」はそのまま「男のエゴ」を表している)という部分はより分かりやすくしたつもりです。

旧作の構成はそのままに絵だけが差し替わる…という方向で努力しましたが、時代に合わなくなった設定の一部変更などは行っています(アナログの日記をメモリーにする等)。矛盾のあった部分も設定し直しました(自分でロボットを作れる人間ならプログラムし直せば済むはずとか、ローンは使わないのかとか、それより金持ち引っかけた方が早いはずとか)。

正直、リライトしたことでよくなったのか悪くなったのか、自分でもよく分かりません。それでもこのアイデアを楽しんでもらえる機会が増えたならいいな…と思うことにしています。

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