「ロイド」

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全13話

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宇宙船の事故で見知らぬ惑星に不時着したダイ。そこは「ロイド」と呼ばれるロボットだけの惑星だった…。行方不明になった父ちゃんを探してダイの冒険の旅が始まる。父ちゃんは無事なのか? そしてロイドに隠された秘密とは…?

9年かけてWEBで連載した長編コミックです。ロイドは「子どもの考えた話をお母さんが漫画にする」という企画から始まりました。当時小学生だった息子が「ロボットばかりの惑星で冒険したり遊んだりしてみたい」と原案を考え、それを私が物語として構成して描く、というスタイルをとりました。最初は40頁くらいの読み切りで…と考えていたのですが、子どもの話を聞くうちにいろいろなロボットがたくさん登場してほしいとのことで、結果として全13話に及ぶ長編になりました。

長編の描き方?
実は長編を描いたのはロイドが初めてです。それまでは長くても50頁前後の読み切りタイプしか描いたことがなかったため、どうやって話をまとめればいいのか?どう構成してどこに盛り上がりを持ってくればいいのか?等、悩みながらトライする日々でした。
自分なりに考えて、まずは全体を通したおおまかな筋を決めて、それと擦りあわせていく形で息子の考えた案やアイデアを入れていくことに。全体を大きく前半・後半に分けて、前半(旅編:1~6話)は息子に自由に案を出させて1話読み切り形式で話を作り、後半(マスター編:7~13話)は前半で広げた風呂敷を私がたたんでいく…という方式でやってみました。ちょうど6話辺りで息子も高校生になり「もう後はお母さんまとめて」になったので、まあまあのペースだったのかな?と思います。

合作の苦労。
主要キャラ5人は息子と相談して決めました。6話までのゲストロイドは基本息子のデザインです(3話のカグヤ・4話のプリンスは私が担当)。ただ息子はロイドの案やアイデアは出すけど、物語の詳細までは作ってくれない。そこは私が考えて構成するしかないのですが、ネームで駄目出しをくらうことも多く、なかなか大変でした(^^;。お題をもらって話を作るみたいなところもあって、そういう意味ではストーリー構成のいい修行になった気も。

テーマについて。
ロイドはSF冒険活劇ものとして作りましたが、せっかく描くならと背景に「父親と息子」「子どもの成長と自立(親離れ)」というテーマも盛り込んでしまいました。そのため7話でどんでん返しを用意し、前半それ自体が後半の展開のための伏線だったという構成にしてあります。ダイくんの成長物語という面からも楽しんでもらえたらと思います。

ロイドから得たもの。
これまでにないことに挑戦することにもなったロイド。長編も初めてなら、正面から少年漫画にトライするのも初めて。チュータとかヘル・アントとか語尾が「××でチュー」「××ダス」になるキャラとか自分だけなら発想しないような世界を描くことですごく勉強になりました。一番大きかったのがキャラ中心の話作りに大分慣れることが出来た、ということでしょうか。ついストーリー中心になりがちな癖のある私にはこれだけでも意味が大きかったと思います。ロボットを描くのも大変でしたが、これもいい経験になったかなと。

SFとしてのロイド。
ロイドのロボットは巨大ロボ系ではなく、AI(人工知能)を中心としたアンドロイド系です。ただ必ずしも人間に似てる必要はなく、自立意識(心)を持っていれば形にはこだわらないという方針で。この手のSFでは「ロボットが心を持つかどうか」「心を持つロボット(機械)がいたら人はどうするか」という命題を避けては通れないと思いますが、ロイドでは子どもの視点(大人の常識や知識や先入観に縛られない・目の前の事実からのみ判断する)から見て大人の反応と対比させるという形で触れてみました。これも1つのシミュレーションで正解などは存在しないと思いますが、いろいろな角度からシミュレーションしてみることにSFを描く意義があるかと思います。

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