全4頁
夏祭りの夜に時子が出会った不思議なおじいさんとは…。4頁のSFファンタジー。
昔、同人誌用に描いたアナログ作品を液タブでデジタルリライトした作品。旧作は自分でもけっこう気に入っており、その気になれば4頁でも作品は描けるもんだと気付かせてくれた作品でもあります。頁数が少なければ余計なエピソードが削られるし、熟考するので、かえってストーリー作りの練習にはいいかもしれない…と思ったりしたものでした。
しかし時代の流れと共に、この作品にも気になるところが。舞台は夏祭り、登場人物は浴衣と、時代や流行に左右されにくい面を持っている作品でしたが、さすがにこのままでは辛い描写が。公衆電話です…。
そこで液タブ練習を兼ねて旧作をリライトすることを思いつきました。最初は公衆電話のシーンだけ差し替えようと思っていたのですが、わずか4頁の小品、全部描き直してもそれほど手間はかからない、だったらきれいに全頁デジタルで描き直してみよう!ということになりました。
全頁リライトするならと、この機会にストーリーも見直して少し修正。若い時は気にならなくても年を経ると気になるところって出てくるものです。例えば駆け落ちを肯定するような内容になっていたこととか、ペンダントのいきさつが雑すぎないか、等。その辺を手直ししましたが、頁数を増やさずに修正をかけるのはけっこう難しかったですね。
旧作を描いた当時は名古屋在住だったので、背景は名古屋城の夏祭りと矢田川の花火の雰囲気がごちゃまぜになったような感じが出ていました。その辺はほぼトレス状態で再現し、リライト版にも生きるようにしました。
何気ない日常の中でふっと不思議な感覚におそわれる…というのが好きです。そんな作品もこれからも描いていけたらいいなと思っています。