
全137頁
シュンは幼馴染みの月美に頼み込んで彼女の叔父の書庫を訪れる。だがシュンと月美は1冊の本に吸い込まれてしまい、そこは「いばらの城の国」と呼ばれる世界だった…?
「いばらの城の姫」の続編です。ファンタジー作品を集めたペーパーバックを作ろうとするも、作品数が足らない。「いばらの城の姫」を描いてもまだ120頁ほど足らない。そこで「いばらの城の姫」執筆時に頭に浮かんできたイメージを元に、同じ世界観での続編を描いてみることにしました。
続編と言っても新しい主人公が登場し、彼の冒険を通して「いばらの城の姫」のその後を見ると言うスタイルに。そのため話の展開はシュン中心に進みますが、前作のキャラたちも話に絡んできて、一緒に新しい冒険を楽しめる構成になってます。
こう言う形にしたのは「いばらの城の国」が本の中の世界だからです。新しい物語を始めるには何らかの形で本の中に介入する必要がある。そこで新たな主人公を立てて本の中に入ってもらい、ロザリーたちと冒険する展開にしてみました。シュンの立場から見たら異世界転生みたいになってますが(笑、私もこういうのは初めてなのでこの機会に楽しませてもらいました。
「物語」とは
物語が好きです。それも最後には何らかの決着がついて完結してくれる物語が好きです。誰が描くものであっても、始めた物語はちゃんと完結させてあげてほしい。どんなに素晴らしい物語でも完結しないと評価できない。完結した時こそが本当の始まりではないだろうか。この作品には私のそんな思いが入ってます。伝わると嬉しいな。
キャラと物語
今作のテーマは「物語」ですが、話作りの発端は実はキャラから始まりました。脳内でキャラたちが動き回って止まらないので、それに合わせて舞台が出来上がっていった、みたいな。設定やアイデアが先になりがちな私にしては珍しいことです。本当の意味で「このキャラが描きたい」から始まったのは実はこれが初めてかも。「この話のためならキャラは誰でもいい」と「このキャラのためなら話は何でもいい」では同じ話でも描き方の姿勢が全然違ってくるし。そう言う意味では私には意義が大きかった作品になりました。
しかし気軽に始めた「いばらの城の姫」がこんな長編に発展しようとは、自分でも驚きだわ(笑。ひととき中世ファンタジーの冒険世界を楽しんでもらえたら幸いです。
2026年発行のペーパーバック「いばらの城の国物語」に収録。