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小学生の娘が片付けないのに手を焼く麻衣子。祖母からもらったぬいぐるみを今も大切にしているのを見せれば娘も片付けるようになると思うが、そのぬいぐるみが見つからない…?
クリップスタジオ(以下クリスタ)で制作した漫画の2作目。「丘の上の緑の屋根」でクリスタ初挑戦しましたが、デジタルペン入れに慣れていくにはまだまだ描き足りないと思い、一般的な頁数の短編にトライ。自分の描き方としては、ネーム~下書きまではアナログでペン入れからデジタルという方法が定着してきたようです。
Gペンについては前作(丘の上の緑の屋根)同様、まだ試行錯誤が続いてますね。メディバンペイントのGペンと同じ太さに設定しても出来上がり感がかなり違ってきてるので、クリスタで自分に合うGペンを見つけるには、もう一踏ん張り、いや二踏ん張りくらいしないといけない気がします。
作品内容は以前ボツにした案を練り直して仕上げたオリジナル新作。数年前に大学の漫研OB誌用に作品を描く機会があったのですが、その時2つの案を検討して「おじいちゃんの宝物」の方を採用。あの時ボツにしたアイデアにも日の目を見させてあげようと思い、もう一度構成からやり直してみました。SFではなく母と娘を題材にした日常ドラマです。
エクダ4の時もそうでしたが、ボツになる案というものはやっぱり何かが間違ってるんですよね。その間違いを正せば発表できる作品になるのですが、簡単に間違いを見つけられるようなら誰も悩まないわけで…。今作ではアイデアに引きずられて誰と誰の話なのかがおろそかになっていたことに気付いたので、キャラと行動理由をしっかり立て直すことで母と娘の物語として成立させることが出来たかなと思います。
作中では特に触れてはいないですが、世界観は「南小学校シリーズ」と同じです。実は「おじいちゃんの宝物」の勇希くんたちも密かに登場しています(笑。何ということのないお話ですが、ハードな作品の合間にホッとしてもらえたらいいなと思います。
2023年発行のペーパーバック「いとしきものたちへ」に収録。