プリントオンデマンドとは
AmazonのKindleダイレクトパブリッシング(以下KDP)で作る本はプリントオンデマンドと言って、刷版を作らずPDFデータから直接印刷する印刷方式です。そのため1冊から刷ることが可能で、必要な冊数だけ刷れるので、オフセット印刷のように在庫を抱える必要がありません。少数部数の同人誌や1冊だけ作りたい人にはありがたいシステムです。Amazonでは注文がある度に刷って発送する形式になってますが、他の本と納品スピードは変わらず翌日到着のお急ぎ便も使えます。Amazonでは本には送料がかかりませんが、受注生産のKDP本も送料かからないです。
ペーパーバックとは
KDPのオンデマンド本はペーパーバックと呼ばれるカバーや帯のないタイプです。アメリカ発祥のサービスなのでその辺の感覚が影響してるのかな。ペーパーバックと言えば洋書やコンビニ漫画を連想する人が多いかもしれませんが、Amazonのペーパーバックは表紙も中の紙もしっかりしていて日本の普通の本と比べても遜色ない出来上がりになっていると思います。
表紙はフルカラー。紙もけっこう厚くてしっかりしている。カラーの印刷もきれいです。自分のイラストが紙に印刷されているのを見ると興奮しますね(笑。裏表紙にはバーコード入ってます。表紙の仕上げは光沢とマットの2種類ありますが、マット仕上げはちょっと他にない独特の手触りです。「いとしきものたちへ」は両方試して光沢を選びました。
本文の紙もペラペラではなくしっかりしてます。ペーパーバックと言ってもわら半紙みたいな粗悪なのじゃなくて、しっかりした上質紙と言う感じ。手触りも悪くない。ツルツルではないので(スキャンするとわずかにテクスチャーがあるのが分かる)漫画には合ってると思います。紙の色は白とクリームから選べますが、漫画なので白を選択。小説ではクリームを選ぶ人が多いみたいです。最後の頁にAmazonへの問い合わせ頁が挿入されてます。
漫画の刷り上がりも十分。アミもグラデーションもモアレせずきれいに出てます。ちなみにこの本は85線でアミ処理しているので、実物の本のサイズで見ればドットもほとんど感じないです。ベタに関しては印刷機によっては(KDPの印刷機は2種類あるらしい)ベタがわずかにテカることもありますが、まず気にならないレベルだと思います。
KDPで本作りを考えていて「実際の品質はどうなんだろ?」と心配な方は試しに何か注文して自分の目と手で触って確認してみるのがいいかもしれません。私も検討している時に他の方のKDPの本を注文して品質を確かめてから「これならいけそう」と判断しました。印刷代とAmazonの取り分が引かれるので価格を安く出来ないのが惜しい所ですが、たった1人の需要にも応えられるのがKDPのいい所だと思います。
気まぐれ雑記2023年4月12日