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Amazonで漫画のペーパーバックを出した理由

なんとAmazonで紙の本を作ってしまいました! AmazonのKindleでは電子書籍が出版できますが、そこに紙の本を作るサービスもあるのに気付いたのがことの始まり。0円で紙の本が作れてAmazonで売れる!?と聞いてトライしてみることに。第1弾を南小学校シリーズにしたのは頁数が少なくて済むので初トライに向いていたのもありますが、サイト開設のきっかけになったのが「いとしきものたちへ」だったので、紙の本もここからスタートしたいと思ったからです。

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結果はご覧の通り。みごとに紙の本が出来ました! しかしこのトライはものの弾みで始まったわけではなく、その裏にはサイト開設からの長い年月と想いがあったんですよね…。

サイト開設以前から私は描いた漫画を発表する方法を模索していました。その時の思いはこちらにも書いてます。インターネットが登場し、WEBなら個人でも漫画を発表できると知った時からWEB漫画が私の作品発表の手段になりました。当時は「これからは漫画もWEBの時代だ!」と思ったものです。

確かに時代はそのように進んでいきましたが、SNSの台頭、漫画投稿サイトが主流になるにつれ、個人サイトは少数派に…。20年以上個人サイトでやってきたけど、これからもこのままでいいのか。時代に合わせて私もアップデートすべきなのか。SNSに鞍替えした方がいいのか、投稿サイトに移ったらいいのか、Kindleなどで有料漫画を目指すのがいいのか、どうしたらいいんだろう…。私もいい歳だし、これから先を考えたら、何か…何か新しい方向性が欲しい。

しかしどの道もピンと来るものがなくて踏み切れず、個人サイトのまま続けてきたのですが、ある時何かのニュースで「Amazonで0円で絵本を作って販売している」と言う記事を見かけ、「えっ何それAmazonで無料で本が作れるの!?」と調べてAmazonのKindleダイレクトパブリッシング(KDP)のことを知りました。その時、天啓が降りて来た。「これだ!」と。

紙の本を諦めて電子の世界に来たのに、まさか20数年後に再び紙の本に回帰する日が来ようとは…。自分でも驚いています。だけどそうなっても不思議ではないこともこの20数年間の間に経験してきました。WEBの世界、電子の世界ってサービス終了したらその瞬間に全て消えるんですよね…。サービス終了で貴重な個人サイトが山ほど消えていくのを見てきました。このサイトだっていつか消えるだろう。そしたら発表してた作品も跡形もなく消え失せるだろう。

電子は消える。それに気がついてしまった。

紙の本は消えない。本屋が潰れても出版社が潰れても、買った本は手元に残り続ける。サービス終了で読めなくなることはない。Amazonだっていつか消える日が来るかもしれないが、消えるまでに買ったものは手元に残る。そうだ、私は残したいんだ。残せるものを出したいんだ。もちろん紙の本もいつかは朽ちるけど、買った人の人生が存続する間は存在し続けられると思う。

同人誌ではなくAmazonの理由
紙の本を作るだけなら印刷所に頼めば出来ます。ネット注文も出来るし、昔に比べたら作りやすくなってきてるとは思う。しかし作っただけでは販路がないんですよね。地方なので大きな同人誌即売会は参加のハードルが高いし、参加できたとしても販売対象は即売会に来られる人だけ。通販も一般人には馴染みのないサイトへの登録を強いることになる。そうじゃない、書店で手に取って買えるように、全国どこでも誰でも気軽に買えるようにしたい。Amazonならそれが出来る。オンデマンド印刷なので在庫も持たなくていいし。リアルの本屋には並ばないけど、今時はAmazonで買える=近所の本屋で買えるとほとんど同じではないでしょうか。

これからもサイトでWEB漫画は続けますし、紙の本になっても漫画をサイトから下ろすことはしないつもりです。読者には紙でも読めるという選択肢が増えるだけのことですが、作品たちにとっては紙の本が最終ゴールになると考えてます。これからどういう方向性でサイト運営していったらいいのかに、作品たちにゴールを提供するという答が見つけられてよかったと思ってます。

「いとしきものたちへ」

A5 110頁

収録作品「メモリアル・バニー」「12本のロウソク」「おじいちゃんの宝物」「みなみ山のポン太くん」「いとしきものたちへ」

サイト非公開の描きおろし おまけ劇場12頁と南町マップ付き


カテゴリ気まぐれ雑記日時2023年4月 8日

Windows11になってしまったKDP ペーパーバックの品質

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